チラシの裏nodei3’s diary

チラシの裏に書くようなこと書いてます。

BFVのライブサービスはなぜ失敗したのか?

どうも、近日バトルフィールドV(以下BFV)のライブサービスの事実上の更新停止が発表されたことを受けてネット上では阿鼻叫喚の声があちらこちらで聞こえてきます。
そんな僕も発表の前まで太平洋戦線はBFVのライブサービスの始まりに過ぎずこれから西部戦線や東部戦線とあらゆる戦線を順に体験していけるものだと思っていたので非常に悲しいです…

そしてBFV更新停止を受けて、更新停止に至った原因として「興行的に失敗したから」、「ゲームがつまらないから」等々様々な意見がネット上では出されていますが個人的に的を射た意見ではないと思ったので個人的に原因を考察した物を書かせていただきました。

とはいったものの、素人が書いた憶測の域を出ていない文章なので「ふーん、そういう意見もあるんだな」程度に思っておいてください。

論文とかじゃないんで文も適当です。予めご了承ください。ゆるして。
 

f:id:nodei3:20200501171306j:plain

まず結論から話ますと、興行的な成否に関係なく「開発の計画性の無さ」が根本的な原因で更新停止という形の結末になった、というのが僕の意見です。

 

「収益性がないから」というのもひとつの理由だと考えられますが、たとえ収益性があったとしてもどの道失敗していたんじゃないかというのが僕の考えです。

 

そもそもとして何をもってBFVのライブサービスを失敗といえるのかという話から。

 

本作はDLC方式だった前作までと異なりライブサービス方式です。

比較までに前作のBF1の話をしますと前作では発売時点でDLCを4つ出すことが決まっており、DLCを全て含めたプレミアムパスと呼ばれるものもBF1本作と同時に発売されていました。そして購入者がいる以上、DLCを出さなければ企業の信用を失うだけでなく、裁判沙汰にも発展しかねないので必ず出さなければいけませんでした。

言い換えると予め一定のコンテンツ量が確約されており、ゲーム全体のゴールが明確だったわけです。

 

対するBFVは前作までのDLCを廃止し、ライブサービスという形を取っています。

そしてこのライブサービスでは「どれ位の期間」、「どのようなコンテンツ」を、「どれくらいの量」でといった約束をしていなかった訳です。

 

僕が覚えている限りではBFVのローンチ時点で、西部戦線、東部戦線どころか太平洋戦線をやる約束もされておらず、ただタイズオブウォーと呼ばれる形式でライブサービスを展開していくよとしか公式側は言っていなかった訳です。

ツイッターで一部の開発者がやりたいねーみたいなことは言ってても公式で言ったことはないはず…言ってたらすまぬ)

つまり西部戦線、東部戦線をやる、前作までと同じ位のマップが出てくる、というのはユーザー側が勝手に期待していただけで、約束していない物はやっていないとしても何も問題ないわけです。

そういう意味では”開発は”「BFVのライブサービスを全うした」と言うことができるでしょう。

 

 

しかし開発としても急な更新停止の終わりは理想では無かったはずです。おそらく西部戦線、東部戦線ももしかしたらやる気はあったことだと思います。

しかし結果できなかった。

 

けして理想的ではない終わりを迎えた。

ユーザーも恐らく開発も望まぬ形で更新停止が決まった。

そういう意味でBFVのライブサービスは失敗したと言われているのではないでしょうか。

 

まあ企業としては慈善事業ではないので収益がない以上ライブサービスを打ち切るのは当然でしょう。DLCのように約束もないですしね。

収益性がなかったのは様々な理由が考えられるでしょうがこの開発では収益に関わらず、どの道同じような結末を迎えただろうというのが僕の考えなのでここでは一先ず置いておきます。

 

 

さて、それではライブサービスが失敗したのはなぜか?

上記の通り、根本的な原因として「開発の計画性の無さ」を上げましたがその理由を今から述べていきます。

 

 

まず、BFVにはライブサービス全体を見ても見通しが不透明なところがありました。

バトロワの流行をみて取り入れられたファイアーストーム、最終的にキャンセルされた5対5、やたらと遅いコンテンツ配信、なんか急に変更された挙句戻されたTTK等。

あまりサービス全体の計画、ゴールが見えなかったというのが本音です。

なんというか全体的に後先考えずにライブ感で開発してるようみ見えましたね。

 

そして今思えばその片鱗はローンチ時点からあったのではないでしょうか?

まず本作は英独の2陣営のみでした。本作は第二次世界大戦が舞台なのでBF1942と同じように様々な戦線を描いていくとユーザーは期待し、おそらく開発もそうすることを想定していたでしょう。

 

f:id:nodei3:20200501170247j:plain

しかしながら新たな戦線を描くにはどんなことが必要になっていくでしょうか?

例えばローンチの後に太平洋と日米の2陣営を追加されましたが、

そのために必要なアセット(小物やビークル等のゲームで使う資産の事)を用意する必要があったことでしょう。

ローンチ時点に英独しかなく、日米の実装に1年かかったことを勘案すれば恐らく、ローンチ時点では日米用のアセットを作ってなかったかまだ初期の段階だったのではないでしょうか?

 

当然ですがゲーム開発はタダではできません。アセットも何もないところからは出てきません。

 

人、時間、人件費等・設備費・サーバー維持の為のお金。

 

そういったリソースがあって初めてできます。

(以下人、時間、金をまとめてリソースという言葉で使っています。)

 

すでに作ってあり流用できるものは流用すればいいですが、残念なことに英独の欧州戦線から、太平洋戦線に流用できる物は殆どありません。

なので新たな戦線の為にその分のリソースを割かなけらばなりません。

どんなところにリソースをかける必要があるでしょうか?

マップや小物もかかるでしょうが個人的には、ビークル類は特に負担になると考えられます。

 

例えば戦車を作ろうと思えばモデリング、テクスチャ、動かすので当然リグを組んでアニメーション、ゲームで使う物なのでゲームエンジンに落とし込み、動かすものなのでプログラムを組み、主砲を発射した時や走る時に履帯からです土埃等のエフェクト、適切に動作するかの確認、バグチェック等…

少なくとも数か月単位での時間がかかるのではないでしょうか?
一種追加するだけで様々な工程がかかるなら、複数追加するのに莫大な労力と時間がかかりそうです。

ちなみに太平洋戦線が追加された第5章では17種類のビークルが追加されたそうです。(ボート、輸送車両、固定武器含む)

 

f:id:nodei3:20200501171216j:plain

f:id:nodei3:20200501171222j:plain


それさえも欧州戦線の英独と比べると日米のビークルはずいぶん少ないように思えますが、リソース的に厳しかったんでしょうか。しかし逆に考えるとほぼ太平洋戦線4マップでしか使わないにも関わらず、その為に17種類も作ってるのは何とも贅沢なリソースの使い方ではないでしょうか?

 

これは第二次世界大戦が舞台である以上避けられない問題な気もしますが、舞台が舞台なだけに求められるものも多くなります。

東部戦線が欲しいという要望が出てくるのも第二次世界大戦ゲー故でしょう。

比較までに前作BF1ではアメリカ、オスマン、ドイツ、イギリス、オーストリア、イタリア、フランス、ロシア、赤軍、イギリス海兵隊の計10陣営が存在していました。

しかしビークル類は全陣営で使い回しでした。(正確に言えば、戦闘機と攻撃機と一部の移動ビークルのみ差異がありましたが性能差はなく、ほぼ全てが流用でした)

陣営による差異といえばキャラクターモデル位です。それもそれでリソースはかかるでしょうがキャラクターのアニメーションは使いまわせますし全陣営用にビークルを作るよりはずっと容易でしょう。

新しいビークルを陣営毎に用意する必要がないので、新たな陣営を追加するのもそれほどリソースを喰わない分開発の負担にならなそうです。

これがBF1が10陣営も作れた理由ではないでしょうか?

流用が許されていたのはBF1の舞台の第一次世界大戦第二次世界大戦に比べ知名度がなかったのも理由でしょう。

第一次世界大戦にそもそもそんなにビークル種類ないという事情もあるでしょうが…)

 

対してBFVの舞台は第二次世界大戦です。

同じ事を第二次世界大戦舞台のBFVでやれば顰蹙(ひんしゅく)を買う事は容易に想像できます。
太平洋で日本兵ティーガーやbf109に乗っていたりドイツ兵がコルセアを乗り回していたり、アメリカ軍がIS2にのっていたり等…

軍服ですら史実的じゃないといわれているのでその比じゃないでしょう。

 

殆どゲーム的な役割が変わらない陣営毎のビークルを用意する必要性故にこんなリソースを消費すれば当然収益的にも損でしかなく。企業的にも収益性なしと判断できるでしょう。

 

 当然、西部戦線・東部戦線を作るにしたってこれから莫大なリソースを喰うわけです。

日米に1年かかった事を考えると開発人数の減った(多くの開発者は次回作を作るために引っこ抜かれた)今の開発では労力的にも時間的にもかなり厳しいと考えられます。

 

時間や人員の不足は金銭的な問題ではないので、仮にBFVが(シリーズ最高の売り上げを出した)BF1程売れたとしても厳しいことには変わらないでしょう。

 

リソースというのは何も金だけでなく、時間も必要なわけです。

 

そういえば開発が太平洋戦線をついかするのに新作ゲームを作るのと同等のリソースを割いたという発言をどこかでしていましたが、そんなにリソースを消費してれば「そりゃこうなるわな…」というのが個人的な感想です。

 

英独のアセットしか作らなかった為に日米に一年かかり、これは只の憶測ですがアルサンダン、アンダーグラウンド等もすでにあるアセットを使い回してできる、日米を作り終えるまでのライブサービスの埋め合わせだったように思えます。

 

全陣営にそれぞれビークルを用意するならば、ローンチ時に英独のアセットしかなく、ライブサービスとともに作りながら出していく、という計画自体が無謀だったのではないでしょうか?

 

全陣営のアセットをそれぞれ用意することが時間的にも労力的にも、あらゆる面でリソース的に厳しいのは開発する前から予測ができたはずです。

もしすべての戦線を描きたいのであればそれがどれほど大変な事か理解し、ライブサービス全体を通して必要そうなアセットを絞り予め用意しておけばこうはならなかったのではないでしょうか?

しかしながら現実は流用できない英独のアセットだけでほとんどのリソースを使っていた事がそもそもの問題だと思います。

 

まあこの調子でBFVの開発に時間を割いてると次回作ともども失敗しそうだから打ち切ったというのもありそうですが、もうこれ以上リソースを割けないのが本音でしょうか。

 

つまるところ第二次世界大戦を描くという理想に対して目論みが甘く故に失敗したというのがBFVのライブサービスが打ち切りのような形で終わることになる原因ではないかというのが私の考えです。

 

 

以下三行要約。

1.見通しが甘く英独の流用できないアセットしか作ってなかった。(計画性の無さ)

2.追加の陣営の為に多くのリソースを掛けなければいけなくなった。(リソース管理が甘かった)

3.リソースの消費が多すぎるのでサービスの継続が困難になり打ち切り。(BFVはあきらめて次回作へ切り替えて行く。完)

 

 

考察は以上です。素人が偉そうにすびばぜんでじだ!

長々書きましたが実際のところは関係者のみが知る事なので憶測でしかないことを留意しておいてください。

 -------------------------------------------以下余談------------------------------------------

ではどうすればよかったのか?

根も葉もないことを言えば計画をしっかり立てるべきでした。

上記の通りビークルが負担になっていたのであれば、ビークルの種類を削る、流用ができそうな物を優先して作る等すればリソースを節約できそうです。

第二次世界大戦が舞台である以上全陣営で同じビークルを使いまわすわけにはいきません。

全陣営に英独と同じ数のビークルを用意するのが理想ですがリソースが限られている以上そうもいきません。

なら、せめて第二次世界大戦の雰囲気を損ねない範囲で流用するのはどうでしょう?

特に連合軍サイドはレンドリースやら何やらで多くの車両が流用できそうです。

 

f:id:nodei3:20200429153741p:plain

参考までにBF1942wikipediaバトルフィールド1942の記事より引用。

BF1942では連合軍サイドが結構な数が流用されていますね。車両、艦船、航空機を数えてみたら重複なしで約40種類でした。

ついでにBF1は戦闘機、移動車両の差分を別々に数えても30種類くらいでした。

対するBFVは2020/4/29現在ファイアーストーム専用車両等も含めて約50種類でした。

BFVはあきらかに過剰なくらいビークルだけでリソース消費してますね。

此処から言えるのはリソース分配を変え、予め流用の効くものを作っておけば第二次世界大戦全線を描く事ができたはずだということです。

 

 

f:id:nodei3:20200501170410j:plain

ちなみに太平洋戦線に配置されているトラックは日本やアメリカのではなくドイツ軍のオペル・ブリッツです。史実的にはあり得ないことですが、「まあトラックなんて気にする人はいないだろう」という涙ぐましいリソースの節約術が見て取れます。

 

f:id:nodei3:20200501170725j:plain

なぜかウェーク島を防衛する日本軍。史実では起こらなかった戦いです。

日本軍用の船舶作るのにリソースを割きたくなかったんですかね?これもリソースの節約術でしょうか?

これより他に節約できるところあっただろ!!!

-----------------------------------------------------------------------------------------------

そもそも興行的に失敗したのはなぜか?

 

上記の考察とあまり関係なかったので省きましたが一応軽く考えてみます。

https://www.gameinformer.com/2019/02/05/ea-battlefield-v-did-not-meet-sales-expectations

上記によると、EAの公式的な見解は発売時期がホリデーシーズンだったからというのが理由らしいです。

 

個人的にも納得できる理由ですがそれ以外にも要因があるように考えられます。

単にBFVに買いたいと思わせるだけの訴求力が無かったからというのもあるのではないでしょうか?

 

BFVは前作BF1と時期的に近い未来の第二次世界大戦が舞台です。

第二次世界大戦が舞台というのは第二次世界大戦に興味のある層にとっては魅力的かもしれませんが、それ以外の層には魅力的には映りません。

 

それどころか第二次世界大戦では当然現代的な兵器が出せない以上、ゲームシステム的にも限られたものになりますので、歴史物に興味がなく普通にFPSが好きな人にはマイナスポイントになる可能性もあります。

 

それなら他のところで、例えばせめて第二次世界大戦物に興味がある層などに訴求していく等で魅力を出さなければいけないわけですが、BFVは第二次世界大戦物としてもなんとも中途半端なものになったように思えます。

 

例えば一つ目のトレーラーは特にネガティブ評価が多かったのではないでしょうか?

コスメ要素を全面に押し出したいが故、第二次世界大戦とは離れたものになってしまった。

 

ローンチ時に英独しかないのも影響してそうです。

 

初めから英独日米ソとあればすくなくともナショナリズムに煽られて購入する層がいそうです。

アメリカなんてハリウッド映画にどっかしらサブリミナルアメリカ国旗をいれちゃうくらい自国大好きそうなんでアメリカ軍がでるだけで購入理由になりそうですね(偏見)

 

あとはやはり有名な戦いがなかったのも問題でしょうか?

「あまりしられていない戦争」というコンセプトは個人的に好きでしたが、それさえも英独ではおこらなかったロッテルダムの戦い、ふつうにマーケットガーデンじゃだめだったのかといいたくなるツイストスチール、もはや歴史関係ないアンダーグラウンド、決して起こらなかった米軍によるウェーク島進行…

 

まあマップの面白さは置いておいて(個人的には面白かったと思います)、ただでさえゲーム性が制限される第二次世界大戦物で第二次世界大戦要素すら削ってしまった事は少なからず影響してそうです。

 

残念ながらBFVにはそういった訴求力がないように思えました。

 

もちろんやってこそ分かる魅力というのもあるでしょうがやらなきゃ分からない魅力はやってない人には分かりません。

f:id:nodei3:20200501171353j:plain

(そういえば第六章が終わったのに、詳細は近日公開とタイド・オブ・ウォーの上に書かれているのはなんなんですかね

差し替え忘れたか、放置していただけなんでしょうけど…

ちなみにタイズオブウォ―ではなくタイド・オブ・ウォーなのに今更気が付きました) 

-----------------------------------------------------------------------------------------------

最後になりますが、こんなものを長々と書いたのはBFVが好きだったからです。700時間くらいプレイしたのかな?

まあもっと多いい人はいくらでもいそうですけど。

BFVが失敗した理由としてたびたびBFVがつまらないからというのを見かけますが長々BFVをやった身としてはこのゲームは決して駄作でもクソゲーでもなく十分面白かったです。ただライブサービスが失敗しただけです…

 

例えばガンプレイは従来に比べてとても優れていたように思えますし、

個人的には硫黄島BF1942のようなデフォルメ硫黄島ではなくトンネル、塹壕、頂上までの戦いをほぼ実寸大のスケールで描いてくれた開発には賞賛を送りたいくらいでした。

 

ローンチ時では方向性の行方不明感のあったマップ作りも太平洋戦線に来て魅力的なマップを出すようになり、今後への期待が持てるアップデートでした。

(そしてその調子で西部戦線、東部戦線を見たかった…)

 

個人的には第二次世界大戦に結構興味がある方なのできっちりとやり切って欲しかったというのが本音です。バトルフィールドシリーズがもう一度第二次にチャレンジするにしても恐らく10年以上先のことになりそうですね… 

 

とはいったものの、大なり小なり不満もありましたがBFVはずいぶん楽しませてもらえました。

だからこそBFVをやってもいない層からBFVは駄作だから失敗したみたいな片付け片されるとなんかなあ見たいな気持ちでこの文書きました。

それくらいBFVに入れ込んでいました。

それゆえに更新の停止の決定が残念でなりません。

 

せめて次回作でこの失敗を反省して生かしてくれることを願います。

 

(過去の参考資料を)ロッカーに仕舞うなよ!

 

それでは、合掌BFV RIP BFV

f:id:nodei3:20200501182538p:plain

Press F to Pay Respects
F

 

 

f:id:nodei3:20200501181254p:plain

ちなみにこの文章は初めは英語圏掲示板であるredditにでも書こうと英語でかきはじめたんですが、

思ったより難しくてとん挫しました…

(誰か僕の意見まとめて開発に送ってくれないかな~)

 

#バトルフィールドV #BF5 #BFV #Battlefield V